死んだな。
道ばたに捨ててあった花束のように、同じ結末を辿った。
心は捨てられ、枯れ、死んだ。
私の願いは叶った。
ホストの彼を好きになって、
ずっと不安だった。
っていうのは、嘘だったのかもしれない。
結局、これっぽっちも、1ミリももう彼がホストだなんて思っていない。
嫌われてみて、
連絡とれなくなって、
彼の中から完全に抹消されて、
普通の人だったんだなって改めて思った。
嫌だと思うことは普通で、
だから好きだと思うことも普通で。
ホストだから、これくらいとか私は思ってなかったし、彼もまた普通に私のことを見て嫌になったんだなって思う。
彼を好きになるほど、別れる覚悟をしていたのはなぜだろう。
拒否られたくない気持ちが強かったはずなのに、いつかくる拒否られる日を覚悟していたのもまた事実。
好きだった。
でも好きでいられなくなってた。
ホストだからじゃない。
彼という人物を知っていったから。
ずっと色メガネをかけて見てた。
ホストでいてほしかったのは私のほうの願いだったのかもしれない。
それがホストに見る夢の正体なのかな?
彼女だったのか、営業の一環で仲良くしていたのか、今となってはどうでもよくて。
嫌われたことによって、ちゃんと人として見てくれたんだなってことが嬉しくも思う。
そして私も普通の彼を見れたことが素直に嬉しい。
変人なのかもしれないけど、負の感情は越えてみれば悪いことではないなって思った。
もしまたどこかで彼に出逢ったのならば、私は私らしい私で彼のことを愛そう。
愛されることばかり求めていた私は彼の気持ちを考えられなかったから。
等身大の自分を取り戻させてくれたのは彼。
だから、私はもっともっと自分を好きでありたい。